女嫌いと男性恐怖症
第36話 ガキと優しさ

 急だから無理だと、断ってくれ。との晶の願いも虚しく、二つ返事でOKだった。

 今は遥と頼まれた買い出しを済ませ、直樹の家に向かう途中。

 どうせならゆっくりしていってと、お昼から晩ご飯までを過ごすことになった買い出しは大量だった。

 そんなに長居しなくてもいいはずだ。

 そう思うのに、遥と陽菜が電話で盛り上がって、晶が意見をする前に予定は決まってしまった。

 嫌々ながらに、インターホンを押す。

「はい。ブッ。ハハッ。アキ、お前」

 顔を合わせる前からこれかよ。

 晶はうんざりした顔で、家に上がることになった。
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