女嫌いと男性恐怖症

「幸運なのか不運なのか、俺と直樹は弁護士だ。何かあれば力になれる。まぁ今は幸運と思っておくんだな」

 遥はひざ掛けに包まって、小さくうなずいた。

「まぁ俺はそのせいで、女嫌いに拍車がかかったがな。離婚裁判なんかを担当したりすることもあるから」

 そんな時の女は最悪だ。
 それを目の当たりにしてれば、女嫌いも仕方ないことだと、自分に言い訳していた。

 1時を指す時計の針を見て「もう寝た方がいい」と、遥を部屋に向かわせた。

 コップをシンクに運ぼうとつかむと小さな声で「ごちそうさまでした」という声が聞こえた。

「あぁ」とだけ言って、晶も自分の部屋に入った。

 何故だか心が温かくなって、人の世話をするのも案外悪くないかもしれない。と眠りについた。
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