女嫌いと男性恐怖症
直樹はニヤッとすると、ポケットに隠し持って来ていたらしい缶ビールを晶に投げる。
「まぁ飲もうぜ」
おいおい昼間っからかよ。
呆れつつも、プルタブに手をかけた。
「もう飲んでるの?」
言葉とは裏腹に、陽菜の手にはおつまみが盛られたお皿があった。
そういう手際のよさや、気の利きようはさすがだ。
「そんなに飲むと足りなくなっちゃうわ。2階から飲み物を下ろすの手伝って」
腰を浮かせた晶に「俺だけで大丈夫だ」と直樹は手をあげて階段の方へ行く。
陽菜も一緒に行くようだった。