女嫌いと男性恐怖症
「指輪、素敵ね。指輪を贈るなんて、晶くんもやるわね」
陽菜の視線が、指輪に向かっていた。
「でもこれも、ガキにはまだ早いか?って言われて」
ますますしょぼんとする遥に、本当にこの二人は。と、さすがの陽菜もため息が出る。
「晶くん。ガキって言って、誤魔化してるのよ」
「何を、ですか?」
「そうね。試しにガキは好きって意味で、クソガキは大好きに変換してみたら?」
「えぇ!?」
「たぶん遠からずってところよ」
「そんなわけ」
そんなこと言ったら、毎日のように大好きと言われてることになる。
あのアキに。
真っ赤になる頬を押さえながら、陽菜に抗議する。
「もう! 陽菜さん、からかわないでください」
「いいから試しにやってみて」
陽菜は楽しくなる自分に、私も直樹に毒されちゃったかしらね。と、苦笑した。