女嫌いと男性恐怖症
マンションについて晶のコートから出た遥は、急激に恥ずかしくなってトトトッとリビングへ行ってしまった。
いつものソファの端。
ちょこんと座っている遥を見て、晶はその隣に腰を下ろした。
「え? ここですか?」
「なんだ。ダメなのか?」
「ダメじゃないけど」
絶対酔ってるんだ。
それでまた覚えてないとか、そういうやつだ。
晶は、抗議する視線に気づく様子はない。
「アキ?」
「なんだ」
「もう1度、私のことどう思ってるのか教えてくれませんか?」
こいつはまた何を、言い出したんだ。
チラッと隣を見ると、潤んだ瞳と目が合った。
晶はここに座ったことを、急速に後悔し始めていた。