女嫌いと男性恐怖症
頭をグルグルさせている晶の元に、また遥が戻って来た。
んっしょ。
との掛け声で、晶の体に毛布と布団がかけられた。
今日はやっぱり寝たことにしとこう。
そう腹をくくった晶の隣に遥が潜り込む。
ふわっと甘い匂いがした。
この布団はハルのか。
だから一緒に。
いや違うだろ。
一緒に寝る必要はないはずだ。
こいつのその辺の線引きは、どうなってるんだ。
晶の思いを知るはずのない遥は、晶の胸にもたれかかって寝心地のいい場所を探す。
動く度に、ふわっと甘い匂いが鼻をくすぐった。
少しすると、スースーと規則正しい呼吸が聞こえて寝たことが分かる。
クソッ。どういう思考回路してやがる!
到底、寝ることができない状況の晶は心の中で悪態をつきながらも、愛おしそうに遥の髪を触る。
そして頭に手を当てて、そっと唇を押し当てた。
「これくらい許せよ」
そうつぶやくともう一度、頭に優しくキスをした。