女嫌いと男性恐怖症

 面倒くせーガキだ。

「いただきます、すればいいんだろ?」

 ほらやるぞ。の声に、ぱぁと顔を明るくして手を合わせて待っている。

 クソッ。なんでこんな真似事に、付き合わされなきゃいけねーんだ。

「いただきます」

「いただきます」

 言い終えると、ほんのり温かくなる胸の辺りに、こいつに感化されちまったのかと、自分の胸を疑った。

「じゃ俺は出るから。なんか買ってくるか?」

「はい。じゃ適当に、ご飯になりそうなものをお願いします」

「あの」とまた言いにくそうな遥は、「なんでもないです」と与えられた部屋に行ってしまった。

 まぁ、一応は鍵の使い方なんかは教えてあるし、何かあったら出かけるか。
 いや、男に会ったら困るから、家から出ることはないな。

 そう思って、マンションを後にした。

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