女嫌いと男性恐怖症

 晶は公園に来ていた。

 遥がおばあちゃんと住んでいた家の、近くの公園。

 入り口で電話をかける。

「悪い。見つかった。奥さんにも伝えてくれ」

「見つかったのか。良かった。でも大丈夫なのか? アキ」

「あぁ。大丈夫だ」

 もう間違えたりしない。
 大切なものは分かってる。

「そっか。その声なら、大丈夫そうだな」

 長い付き合いは、これだからな。

 フッと笑みをこぼすと、公園の中に入った。

 公園のすみにある展望台。
 下からかろうじて見える、小さな頭があった。
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