女嫌いと男性恐怖症
二人は、直樹の家のリビングにいた。
南向きのリビングには、穏やかな光が差し込んで心地よかった。
穏やかな光は、グラスの氷を溶かしていく。
カランッと、軽い音が響いた。
男の人が嫌だと言うよく分からない女であろう人を、勝手に救急車を呼んで乗せていいのか分からなかった。
きっと、救急隊員は男だからだ。
そこで直樹の奥さんの陽菜を呼んで確認してもらい、確かに女性だと判明した。
疲労で倒れたのだろうという判断で、家に連れて来たのだ。
家に着くと「とりあえず何か食べて……」とゼリー飲料を渡していた。
その後に、風呂で汚れた体を綺麗にするらしい。
その辺は陽菜に任せておけば、大丈夫そうだ。