女嫌いと男性恐怖症
第6話 所詮は
「お先にどうぞ」と遠慮する遥に、風呂に入ろうと晶は脱衣所にいた。
ふと棚に目をやると、タオルや部屋着はきちんとたたまれて置いてあった。
男を感じるような下着なんかは、別のカゴに入れて蓋を開けるなと言ってある。
それ以外は、洗濯をしてくれているようだった。
飯も作れるし、家政婦としてうちで雇ってもいいんだが。
それじゃ、社会復帰できなくて意味ないな。
そんな思いに、脱衣所の引き戸を少し開けて遥の様子を伺った。
トットットットと、小動物のようなそれは、忙しく働いていた。
フッ。チビのくせによく働くぜ。
今度は取り込んだバスタオルをたたもうとしているのか、奮闘している。
そのバスタオルが巨大に感じて、んっとにチビだな。と苦笑した。