女嫌いと男性恐怖症
第7話 会いたくないやつ
なんとなく顔を合わせづらい気持ちで、朝早くに晶は家を出た。
昨日のことを思い出すと、はーっとため息をつく。
「なんだ。1人か?」
聞き慣れた声に、おもわず肩を揺らすと後ろに直樹がいた。
今、一番会いたくないやつ。
無視したかった。
どうせ何か言われるのが、目に見えている。
「こんな朝早くに本屋にいて、遥ちゃんは大丈夫なのか?」
通勤客に合わせ、早朝からやっている駅前の本屋にきていた。
本屋に入って行くのを見かけた直樹が、後をつけたらしい。
「そんなの知るか」
晶の態度に、ははぁーん何かあったな、と直樹は心の中でニマニマする。