女嫌いと男性恐怖症
チンッ。トースターの音に思考が遮られると、チーズと醤油の香ばしい匂いがした。
オススメの方をと言ったのに、きんぴらもひじきもそれぞれパンに乗り、斜めに切られたものが遥と両方の皿に乗っていた。
「腹が減ってると、余計にイライラするかもな。食べよう」
洋のパンに和のおかずを乗せて、しかもその上にまた洋のチーズ。
ゲテモノを食べさせられる気がして気は進まなかったが、 遥が目の前で食べるのをじっと見ている。
食わず嫌いなんて。と言われた手前、食べないわけにはいかなかった。
意を決して、ひとくち口にほおばる。
「あれ、うまい?」
疑問系で感想を言うと、遥がフフッと小さく笑った。
その姿に俺たちも和洋折衷ってわけかな。
と、自分の中で、なんとなく居心地の良さを感じ始めていた。
遥が、一応は女なんだと理解しながらも。