女嫌いと男性恐怖症

 フッと気づくと、買ってきていた本を全て読み終えていた。

 日は、傾き始めている。

 遅い朝食だったとはいえ、さすがに読書に没頭し過ぎたか。

 そう思ってリビングに目をやると、ソファに小さなものがうずくまって寝ていた。

 本当にチビだな。

 そっとひざ掛けをかけてやる。
 女だと薄々分かっているのに、優しくしてやるなんて俺はどうかしている。

 いや。今はクソガキか。

 そう自分に言い聞かせ、その場を立ち去った。
 自室に入ると、スマホを手に取った。
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