女嫌いと男性恐怖症

「ほら。あの二人があなたのことを助けてくれたのよ。直樹に晶くん」

 どうやら風呂は終わったらしい。

 倒れた人は、陽菜に連れられてリビングへ来た。

 小綺麗になったその人は、陽菜の服を借りているようだ。
 その服が大きい。

 150センチあるかないかの小柄な体型で、顔も童顔。

 髪はショート。
 見た目はまるで小学生だった。

 なんであんなちんちくりんの奴から、あんな甘い匂いが。

 不可解に思いつつ観察すると、そのちんちくりんと目が合った。

「あきら…くん?」

 ちんちくりんが疑問系で名を呼ぶと、直樹がククッと笑った。

「アキは正真正銘の男だよ。なんなら脱がせようか?」

 直樹が面白がって晶の肩に手をかけると、晶はそれを嫌そうに振り払った。
< 6 / 291 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop