女嫌いと男性恐怖症
電話を切ると、自室の椅子に座る。
仕事用のパソコンが置かれた机にもたれかかると、またため息をついた。
機能不全家族、アダルトチルドレン。
色々と本に出てきた言葉が浮かぶ中で、晶は共依存という単語が、胸に突き刺さっていた。
共依存。互いに依存しあう関係。
俺はハルに依存して、ハルを失った家族、あのクソババアの代わりにしようとでもしていたのか。
読んだ後に心を整理すればするほどに嫌な気持ちが心に広がって、それは晶を蝕んでいった。
また直樹の言葉が心に浮かぶ。
『アキが心地よいと思う行動は、たいてい正解だ』
ハッ。本当かよ。
ダイニングには、冷め切ってしまったパスタが食べかけのまま残されていた。
自分の冷え切った心のようで、生ゴミにそのまま捨てた。