女嫌いと男性恐怖症

 ハハッと笑い声をあげると、遥は不安そうにこちらをみている。

 違ったのかな?
 何かおかしいのかな?
 と、いうのが顔全体に表れていた。

「そうだ。それだ」

 それだけをなんとか絞り出すように言うと、また笑えてしまう。

 確かにそうだった。
 依存とはそういう意味だ。

 それなのに。
 こんなチビに、教えられるなんて。

 自分たちが共依存ではないかと心配した自分に、馬鹿らしく思う気持ちだった。

 依存ではない。

 別に互いに、なくてはならないなんてことはない。
 無くなっても、禁断症状なんて出ない。

 フッと柔らかく笑った晶に、遥も表情が穏やかになった。

「ココアって不思議ですね。ほっこりと温かい気持ちになります」

「あぁ」小さく同意すると「冷えちまう前に寝た方がいい」とマグカップを受け取った。

 それを片手で持つ。

「ごちそうさまでした」の小さいお礼に「ん」と言うと、頭をグリグリした。

 見上げた視線を感じつつも、それを見ないままシンクへマグカップを運ぶ。

「今回はお前に救われた」なんて言葉は、さすがにかけれなかった。

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