女嫌いと男性恐怖症
朝。前に食べた残りのきんぴらやひじきなんかと、焼き魚など。
やっぱり和の朝食が並ぶ。
そこへ、インターホンの音が響いた。
「あぁ。来たな」
不思議そうな顔の遥を横目に、晶はオートロックの鍵を開けた。
少しすると、リビングに直樹が入ってきた。
広い部屋ではあったが、男の人が2人になると圧迫感があった。
遥にとっては、人数の問題よりも性別の問題だったが。
「大丈夫か? 遥ちゃん怯えてるぞ」
心配そうな顔でリビングより近くには来ない直樹に、晶はダイニングの方へ行こうと手招きする。
「大丈夫だ。ハルもこの家には慣れただろ?」
小さく頷くが、それ以上は言葉を発しようともしなければ、動こうともしなかった。
直樹も、リビングから近づこうとはしない。
「まぁ。今日はこのくらいにしておくか。直樹を下まで送ってくる。悪いが飯はその後だ」