女嫌いと男性恐怖症
第12話 ジャスミンティ

 ダイニングテーブルに、グラスが3つ。

 今朝も、仕事に行く前の直樹が家に寄っていた。
 ここ何日か用事がなくても寄るようにしていた直樹に、遥はお茶を出せるほどに慣れてきていた。

「アキんちで、ジャスミンティーが飲めるとはな。遥ちゃんのおかげだ」

 爽やかな後味を堪能した直樹が、グラスを置く。

「いちいち、気に触る言い方するな。直樹に出す茶なんて、無かっただけだ」

 気分を損ねたような晶も、グラスに口をつけた。

「寝に帰るだけの、殺風景な部屋だったしなぁ。まぁ殺風景なのは今も変わらないが、やっぱり女の子が一人いるだけで違うよな」

 ニコニコしながらも晶の地雷を踏みまくっているように感じる直樹の話ぶりに、遥は二人のやりとりをドギマギしながら見ていた。
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