女嫌いと男性恐怖症
「おい。ハルはコーヒー飲まない方がいいぞ」
毎晩のように眠れていない様子の遥に、晶はコーヒーカップに手をかけた。
中身は牛乳を入れたカフェオレになっていたが、それにしたって。と晶は気にしていた。
「コーヒーのせいで、眠れないわけじゃないんです」
「なんだ。じゃ、昼寝し過ぎか?」
さすがのワーカーホリック気味の晶は、落ち着いてきている遥に安心して家でできる仕事をしていた。
そしてダイニングテーブルで仕事に没頭している時に限って、気付くと遥はソファで丸まって寝ていることが多々あったのだ。
「それは、眠れないからお昼に眠くなってしまって、寝るからまた眠れない悪循環で」
気持ち良さそうに寝ている遥を見ると、起こすのも可哀想な気がしてしまっていたのは、逆効果だったようだ。
寝ている遥を見て、なんだか眠くなった体を伸ばす。
なんてこともよくあったほどに、気持ち良さそうに寝ていた。
「より良い睡眠のためには、日に当たった方がいいとは言うが。そろそろ出かけてみるか?」
悩んでいる様子の遥に、まだ早かったかと晶も思い直す。
「豆のガリガリを、買って頂けるのなら」
豆のガリガリ。
ネーミングセンス大丈夫か。
と、変な心配をしつつ、まぁそれで出かけられるのならとOKした。