女嫌いと男性恐怖症
第13話 カフェ

 それにしても、んっとにチビだ。
 振り返っても、見落としてしまいそうなほどに視界に入らない。

 仕方なく視線を落とすと、やっと姿をとらえた。

 サイズを聞いたのかと思えるほどに、ぴったりのスニーカーを履いて歩く遥。

 遥が、晶の思っていることが分かっているような素振りは、度々あった。

 そんな時は、自分に似てるからという気がしていた。
 まぁそれはそれで、嫌な気分だが。

 なのに陽菜の対応は、女特有の気がして嫌悪感を感じた。
 感謝さえしている陽菜にさえも、女っぽさが垣間見えると嫌な気分になる。

 バリバリの女嫌いが健在な自分に、俺にもリハビリが必要か、と嘲笑した。

 しかし、いや。
 俺は生活に支障をきたしていない。
 と、思い直すと遥と目があった。

「アキとお出かけって、なんだかウキウキします」

 拍子抜けする言葉に、遠足に行く小学生に思えて仕方なかった。
 さすがに男のではなく、女のではあったが、小学生には変わりなかった。

< 83 / 291 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop