女嫌いと男性恐怖症

 男嫌いを忘れるほどに自然だった遥に、晶は疑問を投げかけた。

「マスターは平気そうだったな。白ひげでも、じいさんってほどの歳じゃないぞ」

 遥は晶の質問に、優しい笑顔のマスターを思い出す。

「優しそうな方だったので。アキに少し似てますよね?」

「なんだ。あんなじじいと一緒にするな」

 不貞腐れて歩く晶に、さっきはじいさんってほどじゃないって自分で言ったのに。

 おかしくなって笑みがこぼれると、先を歩いて行ってしまう晶の後を追いかけた。

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