女嫌いと男性恐怖症
食材も買って帰るために、スーパーに立ち寄った。
周りの視線に気まずさを感じた遥は、晶に耳打ちをする。
「アキ、あの。すごく目立ってます」
ただでさえ端整な顔立ちで、背も高くて目立つのに、昼の時間帯にスーツでスーパー。
そして傍らには、チビの小学生のような子まで連れていたら、目立たないわけがなかった。
「あぁ。スーツはまずかったか。いつもは仕事帰りの時間帯にしか、来たことなかったかもな」
主婦の人たちであろう女の人ばかりのスーパーで、針の筵のような視線に居心地の悪さを感じる。
昼のスーパーが女ばかりだということが、すっかり頭から抜け落ちていた。必要なものをカゴに入れると早急に立ち去った。