女嫌いと男性恐怖症

 帰り道。「ちょっといいですか?」の声に振り返ると警官がそこにいた。

 さきほどのスーパーで、おせっかいな主婦が通報したのかもしれない。
 これだから女は、と腹立たしい思いだった。

 どうせチビのハルのためとか思ったんだろうが、男がダメなこいつに。と、警官と遥の間に立つ。

 ますます不審がる警官は「後ろの子は何歳ですか? 学校はどうしました?」と質問してきた。

 やっぱり小学生にしか見えないよな。と、今は笑えない状況にどう説明したものか。と熟考する。

 すると晶の後ろで怯えていた遥が、ポケットから紙を出した。

「よく間違われるから、持ってなさいって言われたんです」

 それを警官が受け取ると、遥はまた晶の後ろに隠れてしまった。
 何を持っていたのか、晶は分からないまま警官がそれを見て質問をする。
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