お帰り!フランス人の王子様
「リリー、俺はやっぱり、
リリーのこと愛してるんだ!
だから、離れたくない」
ルイ…
そんな嬉しいこと言われたら、
もう嬉しくて泣いてしまうよ!
ルイはいつもの王子様スマイルで
ジーンっときている私の顔を見つめた。
「それと、日本も大好きだからよな!」
「ルイ!大好きです!」
「俺も!」
お母さんがキッチンで
ミキサーをガーガー回してることなんか
お構い無しに、
私たちは長い間抱き締めあっていたのだった。
「スムージーできたけど、飲む?」
テーブルに緑のどろどろした
飲み物が置かれた。
お母さんはあまり空気を読まない。
「俺は…いらない」
王子は私から離れると
ひきつった表情でスムージーを
私の方へ押しやった。