お帰り!フランス人の王子様


「私はすごく悲しい」

詰め込まれた毛玉靴下を
じっと見つめながらそう言ってみた。

普段気持ちを表に出さない私だけと、
さすがにルイの帰国はダメージが大きいから
自然に漏れ出してしまった。


「よなあ。俺も」

ルイはそう言って、私の頭にキスをした。

「来年帰ってくるからな、リリー!」

「うん」


来年ってまだまだじゃん…。

「フランスに着いたら
何かプレゼントあげるよ!何がいいの?」

王子が暗い空気を回避しようと
色々話を振っているのに、
今日の莉々はしぶといのだ。

「…プレゼントとか別にいらないから
帰らないでよ」

「リリー…機嫌悪いだな」

しかし、この後、
寂しさを忘れてしまう出来事が…。


王子は昨日一緒に買い込んだ
日本のお土産を袋に詰め込んでいた。
大体はインスタントラーメンだったが
一つだけ謎のものが…

「え、何これ?」
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