お帰り!フランス人の王子様
王子様と旅行




ある夜。

私は動画サイトで小動物のビデオを見ながら
その日のバイトの疲れを癒していた。

お風呂にも入り、寝間着にも着替え、
ベッドの上で至福の時を過ごしていたその時…


バタン!

「リリー!シロハマ!
シロハマに行こう!」


隣の部屋のフランス人が
いつものように
ノックもせずに飛び込んできた。

「ねぇ、何百回も
『ノックしてから入って』
て言ってるのにまた勝手に入ってきたよね?
もう、わざととしか思えないんだけど」


癒しのパンダの動画を一時停止して、
のそっと起き上がると
ルイ王子が断りもなく、
私のベッドに寝転がった。


「ほら!リリー、見て!
シロハマ…」

ノックの話は無視かい!
もう諦めるしかないのか…

「ほら、ほら、見て!」

ガイドブックらしき物を
私の目の前に押し付けるのはいいけど
近すぎて見えないわ!


「ルイ、近いわ!」
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