ラブリー
「えっ?」

思わず聞き返したら、
「“僕が好きだ”って、さっきそう言ったじゃないか」

小宮課長が言った。

「えっ、いや…あれは…」

ほとんど勢いで言ってしまったそれを覚えていたとは…。

「なずな」

小宮課長に名前を呼ばれて、わたしの心臓がドキッ…と鳴った。

もうこうなってしまったら認めざるを得ないといけない。

「――そ、そうです…」

わたしは言った。

「わたしは、小宮課長のことが好きです…。

もうお試しなんてつきあうなんて無理です…。

それくらい、あなたのことが好きなんです…」

ああ、かっこ悪い…と言うか、かわいくない。

もうちょっとロマンチックに、それもかわいく告白したかったのに…。
< 100 / 108 >

この作品をシェア

pagetop