ラブリー
 * * *

なずなと小宮はドアの前で少しだけ話をすると、2人はそのまま屋上から立ち去った。

「本当に結ばれたんだな」

2人の後ろ姿を見送った三平に、
「ああ、そうだな」

佐和子は返事をした。

長い片思いの末に2人が結ばれたことを快く思っていないようだ。

「どうだ?」

三平は声をかけた。

「何が?」

そう聞いてきた佐和子に、
「余り者同士、片思いが報われなかった同士でつきあうのは」

三平は言った。

「はあ?」

嫌そうに聞いてきた佐和子に、
「お前、小宮課長に片思いをしてたんだろ?」

三平は言った。

佐和子はピクリと眉を動かすと、
「それ、どう言う意味だよ?

私がいつ小宮課長に片思いをしてるって言ったんだよ?」
と、聞き返してきた。
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