ラブリー
「その時、1回も彼氏ができたことがないって言ってたじゃん」

わたしは特に会話の内容を覚えていないけれど、何か言ってた気がする…。

「その当時は俺も彼女と別れたばかりだったからよく覚えているんだ。

“このまま彼氏ができないままで人生が終わるのかなー”って言ったお前に、俺はこう言ったんだ」

三平はそこで言葉を切ると、
「“25歳を過ぎても、お互いが独身だったら結婚しよう”って」
と、言った。

「そ、そうだったの…」

酔っ払っていたとは言え、まさかそんなことを言っていたとは思ってもみなかった。

「それで、結婚しようってことなの?」

そう聞いたわたしに、三平は首を縦に振ってうなずいた。

「…三平はそれでいいの?」

と言うか、安易に結婚しようなんて言っていいものなんですか?
< 28 / 108 >

この作品をシェア

pagetop