ラブリー
な、何でしょうか…?

何があって、わたしを椅子から立たせたのでしょうか?

小宮課長はわたしの肩を抱き寄せると、
「なずなは僕のものだから」

三平に宣言するように言った。

「えっ…?」

三平はポカーンと口を開けた。

「いや、あの…」

僕のものって、何なんですか!?

そもそも、告白に返事すらもしていないんですけれども。

戸惑っているわたしの顔を小宮課長は覗き込むと、
「なずな、行こうか」

そう声をかけると、わたしの手を引いた。

「えっ、あの…」

カバンを手に持って、わたしの手を引く小宮課長について行くことしかできない。

ポカーンと口を開けている三平を残して、彼に連行されるようにわたしは居酒屋を後にした。
< 31 / 108 >

この作品をシェア

pagetop