ラブリー
小宮課長はやれやれと息を吐いた。

息を吐かれたその意味がわからない。

と言うか、息を吐きたいのはわたしの方だ。

「大学生の僕が小学生の君に手を出すのって、相当なまでに勇気がいるんだよ」

小宮課長が言った。

「11歳の君が告白した当時、僕は21歳だった。

成人男性が未成年の女の子に手を出したら、間違いなく捕まっちゃうよ」

小宮課長はそう言うと、両手首を出して捕まっているポーズをした。

「そ、そう言う意味だったんですか?」

そのポーズを見ながら、わたしは聞き返した。

「そうだよ、あの時は僕もなずなのことが好きで君からの告白を嬉しく思った。

でも10歳差と言う年齢のことを考えると、なずなの告白に答えない方がいいとそう判断したんだ」

小宮課長は答えると、ポーズをしていた両手を下ろした。
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