ラブリー
小宮課長はわたしの顔を覗き込むと、
「これでもうわかったでしょ?」

声をかけてきた。

「わかったと言えばわかったんですけれども…」

「まだ何か聞きたいことがあるの?」

「いや、特にはないですけれども…」

正直なことを言うと、このまま小宮課長とつきあっていいのかと思っている。

「わたし、まだいろいろと受け止めることができていないんです。

断られた理由がわかったのに、まだ引っかかっている部分があるみたいで」

「引っかかっている部分?」

小宮課長が聞いてきたけれど、
「それが何なのかはよくわかりません。

だけど、このまま小宮課長とつきあうのはどうかと…」

わたしは自分の思っていることを吐き出した。

「貝原を意識していると言う訳ではないんだろう?」

小宮課長が言ったけれど、
「三平はわたしの友達です」

ちゃんと否定をした。
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