ラブリー
「ああ、あれか？

小宮課長に振られて、会社の笑い者になるのが怖かったから告白をしなかったって言うヤツか？

それとも、あいつのファンから夜道で報復を受けられるのが嫌だから…ってか？」

「本当に、どうなんだろう…」

その件に関しては本人から直接…と言いたいところだけど、ごまかされそうな気がして仕方がない。

「全く、本当にいけずなヤツだぜ。

京都で芸妓をしてるばあさんがいると、あんないけずなヤローになるんだな」

「い、いけずって…」

それはちょっと言い過ぎなような気がする…。

「まあ、とにかく小宮課長と別れた方がいいぞ。

いけずな女は怖いって言うからな。

昨日まで友達だった女が今日になったとたんに仲間外れにされて…なんてことはザラじゃねーからな」

「ちょっとやめてよ、怖いんだけど」

わたしたちが話をしていると言うのに、佐和子は話に参加してこなかった。
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