ラブリー
オフィスに戻ると、小宮課長はすでに仕事を始めていた。

わたしは彼のデスクに歩み寄ると、
「小宮課長、ちょっといいですか?」
と、声をかけた。

「はい、何でしょうか?」

小宮課長は眼鏡をかけたその顔をわたしに向けてきた。

おおっ…ダサいとかアラレちゃんみたいと評されている黒ぶち眼鏡のはずなのに、小宮課長がかけると破壊力がすごいのですが。

そう言えば寝坊したからコンタクトをつける時間がなかったって言ってたな…って、どうでもいい!

「すみません、折り入ったことなのでできれば…」

どうにか気を取り直して言ったわたしに、
「いいですよ」

小宮課長は椅子から腰をあげた。

給湯室の隣にある使われていない小会議室に入ると、
「別れてください!」

わたしは躰を2つ折りにして小宮課長に言った。
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