ラブリー
1泊2日の出張は無事に終わった。

「なずな、お疲れ様」

帰りの新幹線の中で声をかけた小宮課長はいつもの彼だった。

昨日の酔っ払った彼と同一人物なのかと疑いたくなった。

「はい、ありがとうございます。

小宮課長もお疲れ様でした」

そう思いながら、わたしは彼に労いの言葉をかけた。

何だか疲れてしまったな…。

出張って、こんなにも体力がいるんですね…。

やれやれと息を吐いていたら、
「なずな」

小宮課長に名前を呼ばれた。

「はい…ッ」

返事をしたその瞬間、わたしの唇と小宮課長の唇が重なった。

…えっ?

自分の身に何が起こったのか、全く理解できなかった。

わたし、小宮課長とキスしてるの…?
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