ラブリー
お試しで小宮課長とつきあっているはずなのに、彼は一体何をしたいと言うのだろう?

わたしにキスをして、何になると言うのだろう?

頭の中は小宮課長のことばかりだ。

嫌でも思い知らされる。

わたしは小宮課長が好きなんだ、と。

子供の頃、それこそ告白して振られるまでわたしは彼に恋をしていた。

でも今はどうなんだろう?

今の気持ちはモヤモヤして、何だか気持ち悪い。

わたしにキスをしてきた小宮課長の気持ちが知りたくて仕方がない。

「それよりも、今は仕事をすることに専念しなくちゃ…」

手元にファイルがあることを確認すると、早足で資料室を後にした。

小宮課長の気持ちが知りたい。

手を繋ぐだけはもちろんのこと、キスだってもっとしたい。

そんなことを考えている自分に驚いて、わたしは首を横に振った。
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