ラブリー
ダメに決まってるでしょ!

佐和子の気持ちをちゃんと考えようよ!

そもそも、小宮課長には“別れて欲しい”と言ったばかりでしょうが!

「後、お試しでつきあっている訳なんだから…」

そう言って自分に言い聞かせると、オフィスに足を踏み入れた。

小宮課長のデスクに行くと、
「小宮課長、3年前の見積書です」

彼にファイルを差し出した。

「ありがとう」

小宮課長は微笑んでお礼を言った後、わたしの手からファイルを受け取った。

「――ッ…!?」

その瞬間、彼の指とわたしの指が触れてしまった。

や、ヤバい…。

偶然とは言え、この展開はヤバ過ぎる…。

すぐに平静を装うけれど、小宮課長にバレていないか心配だ。

「失礼しました」

わたしは小宮課長にそう言うと、自分のデスクへと戻った。
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