ラブリー
Lovely7*嵐を呼んできた女
「小宮課長、『鎌池文房具店』の片瀬さんがお見えです」

そう声をかけた女子社員に、
「わかりました、すぐに行きます」

小宮課長はデスクから腰をあげた。

わたしの前を通り過ぎた彼の背中を見送っていたら、
「最近よくくるな」

佐和子が声をかけてきた。

「うん、そうだね」

それに対してわたしは返事をした。

「どうぞ、こちらです」

小宮課長の後ろをついてきたのは、肩まである明るい茶色のロングヘアがキレイな女性だった。

彼女は取引先の会社に勤めている片瀬さんと言う人だ。

「しかも今回も小宮課長のご指名をしてるし」

会議室に入って行く小宮課長と片瀬さんの後ろ姿を見ながら、佐和子は忌々しそうに呟いた。
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