ラブリー
わたしは目を丸くして、そう言った三平の顔を見つめた。

「き、気にするなって…」

わたし、親友を失うかも知れないんですよ?

にらみつけるように三平の顔を見つめたら、
「中学生じゃないんだから…」

三平は呆れたように言った。

「好きな人を奪ったくらいでガタガタ騒ぐのは中学生までだぞ?

お前、もう20歳をとっくに過ぎた大人じゃねーか。

そんなことでガタガタ騒いで友達を失ったら、お前たちの関係はそれまでだったって思え」

「そ、それまでって…」

他人事だと思って、何をえらそうに言ってるのよ。

「どうせ佐和子のことだ、なずなに奪い取られたとしてもすぐに彼氏の1人や2人を作る。

心配するな、大丈夫だ。

あの美貌で振り向かない男はいないぞ」

三平はそう言うと、ビールをあおった。
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