ラブリー
Lovely９＊逃げるは恥だが役に立つ
　＊　＊　＊

「…なずな、今日も休みだってよ」

隣の空席を見て呟いた佐和子に、
「…そうだな」

三平は申し訳ないと言う気持ちでいっぱいになりながら返事をした。

なずなが会社を休んで、今日で３日目を迎えた。

体調が思わしくなくて休んでいると言うことなのだが、三平はそれが理由じゃないことに気づいていた。

（俺は一体何をやっているんだよ…。

酔っ払った勢いとは言え、なずなに向かって“告白をしてこい”だなんて…）

酔っ払った自分の無責任な発言のせいで、なずなは会社を休んだのだ。

あの時の自分が目の前にいるならば、１発殴ってやりたいと思った。

「三平、何か知ってるか？」

佐和子に声をかけられ、三平の心臓がドキリと嫌な音を立てた。

「さ、さあ…」

まさか自分のせいで休んでいるなんて言ったら、佐和子にビンタを３００発くらいお見舞いされるのがオチだ。

さすがに３００発と言うのは言い過ぎだが、最低でも１発は彼女からお見舞いされるだろう。
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