ラブリー

しかも、パワハラで訴えるって…。

「そ、それはちょっとやり過ぎじゃないか？

そもそも小宮課長が原因とは限らないし、何よりパワハラで訴えるって言うのは言い過ぎだぞ。

どこにそんな証拠があるって言うんだよ」

そう言った三平に、
「三平は小宮課長の肩を持つと言うのか？

大事な同期が欠勤に追い込まれるくらいに傷だらけになっていると言うのに」

佐和子がじろりとにらみつけてきた。

「いや、小宮課長の肩を持つなんて一言も言ってないんだけど…」

「あいつ、絶対に許さない。

ちょっとモテるからって、ちょっと仕事ができるからっていい気になりやがって」

佐和子の口から次々と出てくる小宮の恨み節に、
（えっと…佐和子って、小宮課長のことが好きじゃなかったのか？）

三平は戸惑うことしかできなかった。

　＊　＊　＊