ラブリー
もう小宮課長の顔を見たくない。

もう小宮課長と話をしたくない。

もう小宮課長に、会いたくない。

「――会社、辞めようかな…？」

わたしの頭の中に浮かんだのは“退職”と言う文字だった。

わたしが会いたくないと思っても、小宮課長と一緒に働いている限り、嫌でも顔をあわせることになる。

そう考えたら、わたしが小宮課長のところから逃げるのが１番の方法だ。

「でもすぐに仕事が見つかるかな…」

この不景気なご時世で次の就職先を見つけるのは難しいだろう。

わたしも２５歳になったから、新卒のようにうまく行かないはずだ。

そのうえ退職理由が上司と顔をあわせたくないからって…こんな身勝手な退職理由を受け入れてくれる会社はまずないと考えた方がいいだろう。
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