ラブリー
「わたしは、小宮課長と話すことなんてないです。

今すぐに帰ってください。

明日会社に辞表を出して、退職することを伝えますので」

わたしがそう言ったら、
「えっ、退職?」

小宮課長は驚いたと言う顔をした。

「な、何で?

何で退職なんて言っているんだよ?

何か気に入らないことでもあったの?

仕事とか人間関係とか」

「そんな理由じゃないです。

辞めたいから退職をしたいだけです」

あなたの顔を見たくないからなんて、そんなことを言える訳がない。

「辞めたいからって、そんな理由で退職できるわけないだろう」

「…じゃあ、本当のことを言えば退職を許してくれるんですか?

小宮課長はそれに満足して、わたしが会社を辞めることを許してくれるんですか?」

わたしが言い返したら、
「…理由にもよるけれど」

小宮課長は呟くように言った。
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