永遠に覚めることのない夢
「聖子ちゃん?」

今すぐあちらに行きたい。
忍君の元に駆け寄って、「私は、まだ、生きているわ」と、言いたいのに。

「駄目なの…………?」

そう。
駄目なのよ。
私は、もう、邪魔者なのだから。
行きたくたって、行けない。
行きたいのに、行けないの。

「聖子ちゃん!?」

私は立ち上がった。

もう、耐えられない。
壊れてしまう。

私は、ペンケースのカッターナイフを取り出した。
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