女の矛先はいつも女に
土曜日。
採用試験まであと3週間。勉強しないといけないのに、携帯が気になる。雄介とのメールのやり取りを見返したり、電話の履歴を見たりしている。こんな経験今までになかったからどうしていいか戸惑う。
愛菜からメールがきた。
「奈緒ちゃん今度買い物付き合って♩」
愛菜は、私がtwitterを見ていることを知らない。
私は大学で愛菜とあと2人の友達の4人で行動することが多かった。大学もあと半年、今愛菜との関係を壊したら後の2人にも迷惑かけることになる。だからtwitterのことは忘れて今まで通り愛菜とも仲良くしていこう。雄介とも連絡取らずに、このまま平和に卒業をしよう。そう思って自分の気持ちを押し込めようとしていた。
「買い物ね♩採用試験終わったら行こうね」と返事をした。でも、愛菜への不信感は消えない。
携帯が鳴る。雄介から着信。携帯を握りしめていたけど少し間を空けて電話に出る。もしもし、、、?
「奈緒ちゃん遊ぼー!」
この男は、人がいろいろ悩んでいるというのに、いつも楽しそうだ。
「もう、連絡してこないでよ」
「え!なんでー?」
「なんでって、愛菜が知ったら嫌だと思うよ!」
「もう別れたんだし、愛菜から別れようって言ってきたんで?」
「愛菜は今でも雄介が好きだと思うよ?でも頑張って諦めようとしてるんだよ。」
「よくわかんない。男はそんなことで友情が壊れたりせんよ。」
「女の友情はもろいの!だからもう連絡してこないで!卒業まで平和に過ごしたいし」
「、、、、。でも」
雄介の声のトーンが変わった。
「俺、奈緒美ちゃんが好きです!付き合ってほしい!!」
心臓がバクバクした。こんなにストレートに告白されたのはじめてだった。
「無理だよ。愛菜との関係壊したくないもん。」
愛菜は私のこと、大事に思ってないけどね。
「愛菜とのことがなかったら?」
「んー、それは考えるかもね。」
「やったーーー!!!それってOKってことだよ!」
「違うって!とりあえず、今は付き合えない!じゃあね!」
一方的に電話を切った。
嬉しかった。雄介が私のことを好きって言ってくれた。でも、愛菜のことが頭から離れない。ほんとに雄介と付き合っていいのかな?愛菜許してくれるかな?言えないよ。