嘘を愛して。



体育館は今日も熱気立っている。


シューズが擦れる音、ボールが地面に着く音、弾く音に、掛け声や歓声。


全てが体育館を熱気立たせるに充分な素質を持ち、私は今日もそれに溺れる。


「そろそろ休憩してくださーい」


さすがに“先生”もこの熱気にやられたのかさっきまで着ていたパーカーを脱いでいて半袖だ。


「美月(みずき)、みんなに水、水」


何も動かない私を不思議に思ったのか、“先生”は私を急かす。
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