嘘を愛して。
「あ、はい!」
私は、バスケ部のみんなに水やらタオルを渡す。
「美月〜、どうだったさっきのシュート。
僕、凄かったよね、ね、ね?」
遥はニコニコと笑いながら、私の方を純粋な瞳で見る。
どこで間違えたんだろ、双子なのに全然違う。
「うん、凄かったよ。
陽一(よういち)も充分凄かったからね」
興奮気味の遥を抑えて、私は遥の隣にいた陽一にも声を掛ける。
すると後ろからバスケ部のメンバーが「俺は?」と人が押し寄せる。