嘘を愛して。
私はそれに笑顔で受け答えをする。
私だって、こんな面倒なところにわざわざ来ようなんて最初は思ってなかった。
ただ、“先生”が居たから。
“先生”なんて、他人行儀な名前私は嫌いだ。
ほら、今もこんなに距離がある。
総くん、それが私と先生の関係を表す。
私達は従兄弟であり、先生と生徒の関係。
決して交じり合うことができない。
バスケ部のマネだって、総くんが顧問で人手が足りないから入った。
総くんが好きだって言うから、髪の毛も伸ばした。
それでも、総くんは私を好きにはなってくれない。