完璧執事の甘い罠
そして、それだけのことでひな様の体と心にあれほどの傷を負わせた事実。
決して許せるものではない。
「容赦は無用。しかるべき処罰を」
「・・・は」
心が、冷えていくのがわかる。
許せない。
その思いが、心を冷やし凍りつかせていく。
「失礼いたします」
ノエルを残し、ひな様の部屋に入る。
相変わらずベッドの上でぼんやりとされているひな様の側へ食事を運ぶ。
「少しだけでも召し上がってください」
「・・・ほしく、ないの」
かろうじて返事はくれるが、拒絶の言葉。
せっかく、ここの所心を開いてくれていたというのに。
逆戻りどころか・・・。
「ひな様。食べやすいお粥にしています。少しだけでも」
「いらないって言って・・・あ・・・ご、ごめんなさい・・・」
感情的になったひな様は、ハッとしたように俯き謝る。
私はグッと感情を抑え、トレイを脇に置くとひな様の側に跪いた。