完璧執事の甘い罠
「え・・・?」
夕食の準備が整ったとジルに連れられ食堂に向かった。
席に着き、目の前に出された料理を見て、私は驚く。
出されたのは、お粥。
その隣には、すりおろしたりんご。
どうして・・・?
「ジル?」
「食事、身体が受け付けないのでは?お昼に召し上がったものも吐き出されてしまわれたのではないですか?」
私はハッとして息を飲む。
ジル、気づいて・・・?
なんでだろう。
誤魔化せてると思ってたのに。
「ひな様が必死に前を向こうとなさっているのがわかったので、しばらく様子を見させていただきました」
「・・・ジル・・・」
「ですが、これ以上は。ひな様、無理をなさらないでください。無理をしなくてはいけない時もありますが、私の前でだけは、無理をなさらず、本音をありのままをお見せください」